このページは、フォアが急に打てなくなる人向けに「心理的な改善策」を、わかりやすく解説します。
フォアが急に打てなくなる人は、思考のベクトルを「変える」必要があります。
人間は(誰でも)弱い生き物なので、過去の嫌な思い出が(一瞬)脳裏をよぎります。
マイナスな発想が脳裏をよぎった場合、頭の使い方を変えなければ、消極的な状態を繰り返してしまうのです。
例えば、言葉で「ここ、集中!」と自分に言い聞かせても、(普段と違う場面では)なかなか集中できないものです。(よっぽど、精神統一を訓練していない限り難しいです。)
だから、頭の使い方を変えて、今までのように、言葉で自分を集中させるのではなく、行動する「行為に」焦点を合わせる必要があるのです。
目次
原因を知ることで改善しやすくなる
フォアハンドが急に打てなくなるのは、過去の失敗が頭に残っていることが、大きな原因の1つです。
失敗が恐怖となってしまい、身体が思うように動いてくれないのです。
例えば、スピードのないボールがくると、手首が不安定になり、ボールがどこに飛んで行くかわからない状態になる。
これは、過去に「印象に残る失敗が」脳裏に焼きついていることが原因で、脳から身体への指令が誤作動を起こしているのです。
根本の原因は、トラウマになっている部分に対して、心のどこかで信頼しきれていないため、自信を持てないからです。
そのため、プレッシャーを感じるような場面になると、同じような心理状態となり「繰り返して」しまうのです。

特に、スピードの遅いボールほど、考える時間の余裕が出来てしまうため「力み」や「不安」となり、動作に表れやすくなります。
イップスのように突然フォアが狂い出す人の特徴として、ボールを打つ動作で、腕の力を多めに使う人ほど、狂い出すことがあります。
それは、ボールに加える「回転」や「スピード」などの変化を、小手先に頼るからなのです。
したがって、小手先を使うことが習慣になっている人は、いつもよりプレッシャーがかかる場面で、失敗しやすくなり、メンタル的にドツボにはまるため、改善に時間がかかってしまいます。
技術的な改善方法
普段から「良いボールを打たなければ」と思っている方は、無意識で力みやすい環境を作っているのです。
ショートラリーなど、緩いボールで手首がグラグラする方の主な原因は「握りの力み」があります。
打っている本人は「そんなに力を入れていない」と感じながら、(いつのまにか)中指・薬指・小指を、どんな場面でも強く握る習慣がついているからです。
その、中指・薬指・小指の3本の指に力が入ると、前腕(下記画像赤い丸部分)の筋肉が硬く盛り上がるので、ショートラリー時の腕の筋肉がどの時点で力が入っているのか?わかりやすい目安にもなります。

そのため、ボールを強く打たなくてよい距離感(ショートラリーより短い至近距離)で、ラリーをすることで「握りの力み」が消え、手首がグラグラする現象を改善しやすくなります。
手首がグラグラする原因として、早い段階でグリップを強めに握るため、ボールを打つときに握力を制御できないことがあります。
これは、今まで蓄積した、握力の「疲労」や「筋力不足」が制御不能の原因ですが、本を正せば力み過ぎが習慣になっていることが考えられます。
上記画像のように、至近距離でのショートラリーは「自力でボールを飛ばす」ことを頭から解除させるので、力の抜けたスムーズな動きになります。
テニスは「自力でボールを飛ばさなきゃ」と思わなくても、ボールは「反発力」で勝手に跳ね返るのです。人間が行う作業は、ボールに(少しだけ)アシストするくらいで十分なのです。
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至近距離ラリーのやり方
至近距離のラリーは、お互いにネットから1.5mくらい離れて、ボールがネットを越えたら直ぐに落ちるように出来るだけボールを飛ばさないラリーをします。
このくらいの至近距離ラリーでは、相手側コートに飛距離を出す必要が無いため、ラケット面は(空側)上に向けて、ちょこんと当てるだけでネットを越えます。
そのため、面が上を向いた状態を作ることで、自力を使わなくてもボールを飛ばせることが理解できるようになるのです。

慣れてきたら1mほど下がり、また同じことを行います。さらに慣れたら1mずつ下がるようにして徐々にショートラリーの位置まで下がります。
距離が離れるにつれて、ボールの押し加減も(少し)プラスするだけにします。
*腕の使い方に慣れるまでは回転はかけない。
注)途中で、手首がグラグラと不安定になったら、始めの位置からやり直して行いましょう。
要するに、今までの「ボールは自力で飛ばす」という考えから、飛んでくるボールは勝手に飛ぶということを、脳にインプットさせます。
それに、プラスアルファとして「回転」や「スピード」という変化を加えるだけなのです。
ココが重要 !!「メンタルを崩さない」脳の使い方
人間の脳は、1つの事しか考えることができない仕組みになっているため、余計なことを考える為に頭を使わないで、いま集中することに頭を使うようにさせます。
テニスでメンタルを崩す人は「失敗の予想」と「人目」により心を乱すのですが、集中できる人は「ボールに心を奪われる」ことができるのです。
「失敗の予想」に関しては、テニスの試合では大事な場面など重要なポイントに限られていますが、人目は最初から最後まで続く可能性もあり、プレッシャーを感じる状況が続きやすいのです。
そのため、人目のある環境でもボールに心を奪われる習慣を身につけることが、脳を継続的に集中させることになります。
例えば、昔から言われる「一点を見つめる」など、合間に行う断続的な方法だと、継続して集中することは意外と難しいものです。

テニスの試合のように「プレーしている時間」よりも、合間の「プレーしていない時間」が多いスポーツでは、考える時間が多いので「心を乱しやすい環境」でもあるのです。
テニスで役立つ集中方法
私がお勧めする方法は「ボールの動き」と「自分の呼吸」をピッタリ合わせるようにします。
「ボールの動き」と「自分の呼吸」を合わせること自体が、プレーに集中する動作となり、プレー中は継続的にテニスに没頭した状態を作りやすくしてくれるのです。
- 相手からボールが放たれる瞬間に合わせて「息を吸い始めて」自分がボールを打つ動作で「息を吐く」ようにします。
- 息を吸うときはボールが飛んでくる最中なので、口を小さく開けて吸込み量を少なく長く吸い込むようにします。(大量に吸い込むと途切れてしまうため)

POINT吐き出すときは「ラケットの振り出し」から「フィニッシュ」までの一瞬だけです。
このやり方は、相手のボールのスピードによって、息を吸い込む長さを変える必要があるため、ボールの動きをしっかり見るようになります。
しかも、呼吸を合わせることに意識があるので、余計なことを「考えない状態でプレーができる」のです。
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まとめ:フォアが突然打てなくなった!イップスと感じたら「コレ」をする!改善策
- トラウマによる脳の誤作動は、意識を変えると改善する。
- ボールには反発力があり、自力はさほど必要ないことを理解する。
- 余計なことに頭を使わないで、今やるべきことに頭を使う。
- ボールの動きと自分の呼吸を合わせることで、継続的に集中できる。
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