今回、大坂なおみの全米オープンテニスは足の心配がありましたが、蓋を開けてみたら圧倒的な強さを見せつけられた試合でした。
決勝戦のアザレンカ戦で前半は硬さがありましたが、硬さが抜ければそうそう負ける事は無いだろうという力は既に備わっていました。
一回戦の土居選手との試合の時は「大丈夫かな?」と思いましたが、二回戦のジョルジとの試合が大阪もバロメーターになったのではないでしょうか。
土居戦での調子の悪さに「今の状態でどこまでパフォーマンスを発揮できるのか?」は本人も心配な部分があったと思います。
二回戦のハードヒッターのジョルジに、今自分ができる「最高の状態」で戦うとどうなるか?を試した戦いぶりでした。
内容的にも本人が一番「行ける」と肌で感じたと思います。その後の試合も全く別人のようなプレーには圧巻でした。
ギアが一気に上がったようにエラーの数が減り、ポイントを取る確率の高さにも驚きました。
試合前後のコメントを聴いていても、今までになく冷静に喋る姿や声のトーンにも頼もしさを感じられ、プレーにも人間としても自信に満ちた様子がはっきり感じることが出来ました。
目次
大坂なおみの「心に」余裕を与えた異性の存在!
昔のコーチでもあるバインコーチの解任時も勝手な噂が飛び交いましたが、人間は心の部分が大きく物事を左右してしまう生き物です。
何より信頼できる人がいる安心感がやる気のモチベーションを維持してくれます。
心の安心があることで「余裕」が生まれて心をコントロールしやすくなります。
心から信頼できる人がいることで、失敗を恐れない「勇気」が生まれてきます。
今の大坂選手は正にその状態なので、プレーにも落ち着きがあり自信に満ちた表情をしています。
こうなると集中力が高まり、持っている能力がフルに発揮されて試合中にレベルも上がって自信となります。
今まで表れていた「負の雰囲気」を、YBNコーデーさんが完璧に排除してくれたように思えます。
無観客が自分の世界に入り込めた
メンタルも少しずつ強くなってきた大阪ですが、世界のトップ選手のように観客を味方につけたり観客を活かしてテニスに集中するまではいっていないため、今回の無観客の状態が自分の世界に入りやすかったように思えます。
今までと違い無観客なので、観客に慣れた上位選手以外は、集中できる環境だったのではないでしょうか。選手の中には無観客で「集中できてやりやすい」と言う声もあったようです。
今回の大阪は試合を重ねるたびにレベルが上がっていくような集中の仕方で、今までのフィジカルトレーニングや練習の成果がフルに発揮されたプレー内容でした。
このずば抜けたプレーが経験値となり、今後の大坂に大きな自信を持たせます。
現在の女子のトーナメントは、毎回優勝者が変わるように混戦状態ですが、安定した強さを維持するきっかけになるプレーぶりです。
本来の実力が発揮されている
精神面を改善したサーシャ・バインコーチによって才能が開花し、2018年の全米オープン・2019全豪オープンを連続優勝したのですが、バインコーチと契約解消してからメンタルの崩れなのかファンが期待する成績を残せていなかったのです。
今回の全米オープンで、本来の実力であるハイレベルなサーブとストロークに磨きがかかったように思います。
それには「心」の余裕に、日々の「練習」や「トレーニング」があるからこそ成し遂げられた結果でもあります。
大坂をサポートするチームが、一丸となって今までにない強い大坂を作り上げたのです。
🗣 put me in coach! 🏈🏃🏽♀️💨 pic.twitter.com/SfumtRWvqb
— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) August 5, 2020
飛び抜けたストロークのパワー
集中することで破壊力抜群のフォアハンドが安定して入るので、ゲームのほとんどが大坂のペースとなり、相手も為す術がない状態が多かったように思います。
外国人選手も大坂と一緒になって力強さで真っ向勝負をすると、大坂が最も得意とするパターンなので、打ち負かされてしまうのが現状です。
何と言っても大坂のストローク力の魅力は、フィジカルの強さでどこからでもクロスに力強いボールを運べるところです。
甘いクロスではなく、効果的なクロスに運ぶことで不利な状態でも一気に形勢逆転となり、オープンコートも作り出せるのです。
オープンコートが出来ることで相手も焦りだし、大坂選手も自分の得意なペースで試合を進められます。
今回の全米オープンはそのパターンが多かったので安心して見ていられるゲーム展開でした。
試合の後半になるとほとんどの選手がクロスを予測して動き出すので、ストレートにギリギリを狙うような無理をしなくても楽に決められるのです。
もし男子のトップ選手並みの確率のサーブ力がある女子選手がいれば、大坂選手も厳しい環境となりますが、女性の肩の力では厳しいところでもあります。
スピードもコースも抜群なサーブ力
大坂選手のサービスは、女子のトップ選手の中でも抜群な武器になります。
サービスでの一番の魅力は、ピンチの時に入ることです。
サービスにスピードのある選手は沢山いますが、ピンチで破壊力のあるファーストサーブを入れられる選手は限られています。
今回の全米オープンでは決勝でこそ硬さがありましたが、その他の試合では「ここは大事」という場面では、ゾーンに入ったかのように集中できてファーストサーブが入るのです。
力強いサーブが入ると次のボールが楽にポイントに繋げられるので、手堅くポイントを奪っていました。
これは心をコントロールできているから出来ることなのです。まさに超一流選手だけができる凄さです。
女王を維持するカギ
今後大坂も、今のプレースタイルの他にネットでポイントを奪うプレースタイルを混ぜると、さらにレベルアップしてファンを楽しませてくれるのではないでしょうか。
今までのようにチャンスボールをストロークで攻撃するパターンの他に、チャンスボールはボレーでも攻撃が出来るパターンを持っていると相手に付け入るスキを与えないことにもなります。
攻めのパターンを増やすことで、今回の決勝のようにアザレンカにパターンを研究されていたり、硬さでストロークにミスが出る場合でも、他の手があると焦りからくる崩れを防ぐこともできるのです。
ボレーで決めるとなると、ストロークで無理をする必要もなくなります。しかもストロークと比べると少しのエネルギーだけでスピードボールを打ち込むのと同じ効果もあります。
これを機に大坂が女子テニス界を牽引する存在となることを期待します。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。