脚力が弱まっている年代のシニアテニスでは、ボレーの技術が重要にります。
ボレーを上達させるには、色々な状況に対応できる腕の使い方(ラケット操作)を磨くことです。
腕の使い方を磨くことは、相手の嫌がるコースにボールをコントロールしたり、ムダなミスを減らすことが出来るようになるからです。
テニスは色んな状況でボールを捉えることが多いため、状況に合った腕の使い方を身につけることで、安定感やコントロール力が磨かれます。
その技術が、相手を打ち負かすために必要なスキルなのです。
今回は、冬場で練習不足のシニア向けに、限られた時間でも効果的にボレーを上達させる練習方法を紹介します。(1面コートで10名の練習方法)
目次
ルールを決めたボレー練習で集中力とコントロール力を高められる
下記画像のように、通常のボレーボレー①と、ロングボレー②(長い距離のボレーボレー)を行います。
通常のボレーボレー
上記画像①のように、シングルスのサイドラインより内側に立ち、向かい合わせでボレーボレーをします。
【ルール】
- このボレーボレーでは、ボールを地面に落とさないで行い、ノーミスで20~50往復を行います。
*往復回数は、多い回数の方が効果的ですが、レベルによって目標回数を調整してください。 - ボレーボレーが途切れたり、ボールがバウンド(地面に落とす)してしまったら、スタートの0からやり直しにします。
【練習の効果】
この練習では、(普通にボレーボレーをするより)ボールをしっかり見ようとする集中力を高められます。
それは、ボールを地面に落とさないために、ラケットの芯でボールを捉える必要があるからです。ラケットの芯を外れたボールは、急激に飛ばなくなるため、相手の立ち位置まで届かなくなるのです。
そのため、目標回数をクリアするために、全員がボレーボレーに集中した(いつもより高いモチベーション)状態で練習ができるのです。
- ボールは、相手の「胸」の高さを狙って打つ。
- 相手の「フォア側だけ」を狙わない。
- 動いたら元の立ち位置に戻る(前に詰めない)
- 万が一、相手のボールが短くなった時に備えて動く準備をする。
全員がクリアしたら、後述のロングボレーに入ります。
ロングボレー
上記画像のロングボレーは、ダブルスラインの上を立ち位置にして、ボレーボレーを行います。
【ルール】
- このロングボレーでは、ボールがワンバンドしても良いので、ノーミスで10~20往復を行います。
- ラリーが途切れたら最初の0からやり直しにします。
【練習の効果】
この練習では、タイミングを意識するので、ボールのコントロール力が高められます。
ロングボレーは立ち位置が離れているので、ちょっとしたタイミングのズレがコースに影響するため、確実にタイミングを合わせようとするのです。
通常のボレーボレーは、お互いの距離が近いため、コースがズレてもコースミスを感じないのです。しかし、ロングボレーのように距離が離れることで、飛んでいるボールが外側に離れていくので、相手の届かないコースになってしまいます。
そのため、相手が取りやすい位置に狙うために、タイミングを意識して打ち始めるのです。
- ボールは、相手の「胸」の高さを狙って打つ。
- 前に動いても、ダブルスラインに戻る。
【ロングボレーのスイング方法】
ロングボレーは、飛距離を出す必要があるため、(通常のボレーより)ラケットの振り幅は長くなります。(下記画像)
①のハイボレーは、緩やかに斜め下のスイング。
②のミドルボレーは、地面と平行移動のスイング。
③のローボレーが、下から斜め上のスイング。
スイングは、相手が胸の高さで打てるように、ボールを捉える高さによってスイングの調整をします。
【ラケットの振り方】
ラケットの振り方は、画像(左)の身体の「横」から「前」に振るスイングをします。
画像(右)のように背中を越えて後ろから前のスイングは、振り遅れの原因になるからです。
ボレーが不安定な人の原因は、ラケットの引き過ぎで、打点が前後にズレてしまうからです。
ボレーで、ボールが右に飛ぶ方は、ラケットを引き過ぎの可能性があるので、普段の練習から「ボールが飛ばしにくい」と、感じるくらい窮屈な状態(ラケットを引かない)で行うと修正できます。
ハーフボレーは手の感覚を高められる
次は、下記画像のように「左側」の人がシングルスラインより中で、「右側」の人がダブルスライン上に立ち「ハーフボレー」と「コントロールボレー」の練習をします。
左側の人は、ボレーで(アレー:ピンク色の部分)にバウンドするように狙います。
右側の人は、ハーフボレーで(大きいボールはボレー)相手の胸の高さを狙って返球します。
お互いに1つの事だけに集中して、5分間で交代するようにします。
【練習の効果】
左側のボレーの人は、アレーの枠の中にバウンドさせる「飛距離」の練習をします。ボールを押す加減を覚えることで、前後のコントロールやタッチの感覚に磨きをかけます。
モチベーションとして「5球連続アレーの中に入れる」など、目標を作ると効果的です。
右側のハーフボレーの人は、ボールを相手の胸の高さに集めることで、ハーフボレーで返球したボールが浮かなくなる「面の感覚」を高められます。
さらに、この練習は、ハーフボレーで打つか?ノーバウンドで打つかの「判断力」も高めることが出来ます。
ノーミスラリーでプレッシャーに打ち勝つ集中力が高められる
最後は、下記画像のように「5人チーム」を作り、クロスでノーミスラリーをします。
チーム内で1~5番まで順番を決めて、チーム内の1名だけがボレーで、残りの4名はストロークです。
【ルール】
- 1番目の人がボレーに入り、ストローカーと12球連続ノーミスラリーができたら、2番目の人と交代します。(途切れたら初めからやり直し)
- ストローカー側は、(ノーミスで)3球連続で返せたら交代します。(失敗したらクリアするまで行う。)
要するに、ストローカー4人が、3球交代で全員がノーミスでクリアしたらボレーと交代する、リレー形式で競争するのです。
【練習の効果】
ボレーもストロークも全員がミスをできない状況なので、プレッシャーを感じながら集中する練習ができます。
例えば、試合の大事な場面で「ここで入るかな~」と弱気になったときに備えた、プレッシャーのかかった状態に慣れるための練習になります。
人間は、慣れていない環境に「緊張感を感じて」頭が真っ白になったりします。練習でプレッシャーに対する「場慣れ」をすることが、持っている力は発揮されるようになるのです。
しかも、ボレーもストロークも、ボールを「コントロールできないと」クリアできない状態は、普段とは違う「意識レベルが高い状態」で行えるため、意味のある練習ができるのです。
- ラリー中の回数は、ボレーヤーが自分のチームに聞こえるように数えます。
- ストローカーは、3球クリアしたら「サイドに抜ける」ようにします。後ろに抜けると次の人とぶつかってしまうため。
- ストローカーは、短いボールにも対応する準備、ボレーヤーは前に詰め過ぎない。
【テニス】雪国で練習不足のシニアが効果的にボレーを上達させる練習方法 まとめ
- ボレーの上達は、色んな状況に対応できる練習をする。
- ボレーを上達するには、細かな感覚も磨く必要がある。
- 普段の練習では、試合のプレッシャーに慣れるための練習もする。
- 練習は、ルールを決めるとモチベーションが上げられる。
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