錦織も右肘の手術の経過も良さそうな感じで、徐々にエンジンがかかってきた感じのプレーが増えてきました。
試合を見ていても、全仏オープンテニスに備えてギアを上げてきたように手堅く勝ちに行こうとしている様子は前回と違う内容でした。
相手もクレーコートが得意の世界ランキング44位スペインのラモス ビノラスで、競りながらも試合の大事なポイントを押さえて勝利をつかむことが出来ました。
プレーに錦織らしさが戻ってきた
今回は、前回の初戦敗退の試合とは違い、徐々に試合勘が戻りつつあるプレーが多かったです。
本来の調子に比べると、まだまだミスは多いですが、錦織らしい豪快なショットの数が増えてきた感じがしました。
相手を左右に揺さぶり、最後はお得意のフォアの強打でウィナー(ノータッチエース)で締めるパターンの数が増えてきたので見応えもあります。
試合の前半は無理をしない手堅いストロークで相手を揺さ振り、チャンスボールがくるとしっかり攻めてポイントを重ねていきます。
試合の中盤ぐらいから錦織らしい柔軟なプレーのドロップショットやサービスダッシュを混ぜて、タッチの感触を確かめるようなプレーも随所に見えて余裕を感じさせます。
ただ錦織もマッチポイントを5回も逃し、見ている方は心配になりましたが本人は焦る様子もなく落ち着いたプレーでした。
最後は錦織のバックハンドがネットインとなり相手コートにポトンと落ちてゲームオーバー!
さすがに本人も申し訳なさそうなリアクションをして勝利となりました。
相手はクレーのスペシャリスト
相手のスペインのラモス ビノラス(32歳)は、錦織のジュニア時代からのライバルなのです。
3年前に当時世界ランク1位のマレーにもモンテカルロで勝利したり、5年前には上海でフェデラーにも勝利しているほど実力のある選手です。
しかもクレーコートの勝率が5割もあり、クレーコートを得意とする選手です。
ナダルを思わせるような左利きの弾道が高くスピンの量が多いフォアハンドで相手を動かし、チャンスもしっかりエースを取るボールで攻めてくるプレーなのです。
ラモス ビノラス選手は3年前に結婚して、新婚旅行で日本の宮島に来ているほど親日家のようです。
錦織の次の試合
錦織の二回戦の相手は、ランキング17位のワウリンカ(スイス)か、249位のムゼッティ(イタリア)の勝者と対戦します。
56ドローなので予選が厳しく、二回戦を勝つと次の三回戦は世界9位のモンフィスがいる厳しいドローではありますが、全仏に備えて自分の状態を確認するには良かったのではないでしょうか。
錦織は今回の一回戦で、試合を終始有利に進めていたので、更に上のレベルと対戦することで、モチベーションも上がりギアも上がってくる感じがします。
前回、錦織が初戦敗退したジェネラリ・オープンで対戦したランキング47位のミオミル・ケツマノビッチ(セルビア)は、そのまま優勝するほど実力がある選手だったのです。
結果だけ言うと初戦敗退ですが、テニス経験者からしてみれば、肘の手術をして一年以上ぶりの試合であれだけのプレーができる錦織には、全てにおいて超一流の凄さを感じるものです。
今回の錦織の戦いぶりを見ると徐々に調子を取り戻しているので、試合ごとに見応えのあるプレーをしてくれると思います。
来年のオリンピックでは、誰もが応援に熱が入るようなプレーが期待できます!
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