エンジン全開の大坂なおみ選手のウエスタン&サザン オープン2020。
スタートこそスローですが、一時の精神的な不安も感じられず落ち着きのあるプレーで久々に強い大坂なおみ選手が戻ってきた感じがします。
あんだけ集中できていると優勝の可能性が大いにある小気味のいいプレーぶりです。
なんといっても彼女の武器はフォアとサーブのパワー!
シングルが強い選手の常套手段でもあるストロークでクロスを軸にした攻撃パターンでポイントをもぎ取る組み立て。
ジュニアの選手も参考になる攻め方です。
特に大坂なおみ選手は、フォアハンドストロークのクロスがプロの中でもずば抜けて力強いので、攻撃の軸となります。
なんといっても相手に強烈な印象を与えられます。
フォアハンドでクロスコートに先手で力強いボールを打ち込むので、次のチャンスボールが面白いように飛んでくる。
しかも、クロスが飛び抜けたパワーだから、相手もクロスに注意を払うためストレートや逆クロスがますます効果的になる。
フルスイングしなくてもコースを変えるだけでエースになってしまうので、理想的なポイントの取り方です。
このウエスタン&サザン オープン2020では、精神的な安定もありスロースタートでゲームやセットを取られても、一貫して自分のプレースタイルを貫き通しているから、フォアのクロスの一撃がボディーブローのようにゲームの中盤から相手を追い込んでしまう。
本人もこのプレースタイルをやり続けたら「勝てる」ことを確信しているような自信満々なプレーには、見ていて惚れ惚れします。
プレッシャーのある場面でも、今までにない冷静さが自分の世界に入り込めている感じがします。
少し気になる部分は、ゲームを落とすときに多い攻め急ぎの場面
相手をクロスに動かす前に、強引にストレートに攻めて行くときにサイドアウトをしてしまう所です。
相手も動けないほどのスピードボールですが、強引な分だけ「力み」によるタイミングのズレでアウトなってしまいます。
しかし、その失点を強烈なサーブで簡単に取り返すことが出来ているから崩れないのです。
やはりストレートはクロスよりも一発でエースを取れるのですが、ネットも高くコートが狭い分ちょっとしたタイミングのズレでミスが出るリスクもあるコースなのです。
その点、クロスはタイミングがズレて振り遅れたとしてもボールはコートの真ん中に飛ぶだけで、タイミングが早くなっても鋭角に角度がつくだけなのです。
しかもネットの一番低い所を通せて、オープンコートを作れるコースなのです。
ただ、ストレートよりはボールも返ってくるため、打つ数は少し多くなります。
このレベルになると、穴が無いのでフォアもバックもミスをしないため、攻撃の軸を安全なクロスにして展開して行くパターンがもっとも効果的です。
ジュニアでも大人でもレベルが上がると穴が少なくなるので、自分の攻め方にリスクの少ないコースが無駄な失点を抑えられます。
次の大坂なおみ選手の準決勝も楽しみでしたが、ニュースであった警察官による黒人男性への発砲事件の抗議で準決勝棄権を表明しました。
残念ですが、次の全米オープンテニスに期待ですね!
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