このページは、ボレーが苦手な人向けに「ボレーのコツ」を、わかりやすく解説します。
ボレーミスを少なくするコツは、テークバックで「肘が」体より後ろに下がらないことを意識して打つ必要があります。
ボレーが上手い人と苦手な人の大きな違いは、ボールを捉える位置が「安定しているか」「安定していないか」なのです。
ボレーを苦手に思う大半の方は、ボールを飛ばそうとラケットを引き過ぎて大振りしてしまうことです。
ラケットの振り幅が長いと、同じ位置でボールを捉えることが難しくなります。しかも、ラケットの芯(真ん中)に当てる確率も、低下させてしまうのです。
目次
ボレーは「握り加減」と「正しい形」が重要
握りの加減
最初に重要な部分として、苦手意識があると人は腕に力みが入ります。
ボレーのようにバウンドさせないで打つボールは、時間の余裕が無いため(一瞬で)反応してボールを返球しなければなりません。
力むことの問題は、腕や身体をスムーズに動かなくさせてしまうことなのです。
ボールが来るのを待っている時間は、手(指)の力を抜くことが体をリラックスさせます。
というのは、力が抜けている状態は、体全体の動作を軽やかにしてくれるからです。
グリップの握り加減は、10が1番強く握りしめた状態として、ボールを待っているときは0~1くらいで、赤ちゃんの手を触る感じのゆるゆるさです。
そのため、待っている時は、反対の手でラケットを支えるようにします。
ボレーを打つときの握り加減は、5~6くらいで、友達と軽く握手するように握ります。
テニスを上達させるには、自分の腕や身体をスムーズに操ることが、(宝くじの当選番号を確認するときくらい)重要なことです。
それが、遠回りしないで上達するために欠かせません。だから、リラックスした状態でプレーする必要があるのです。
正しい「形」
次にボレーの基本的な「形」と「リズム」の取り方です。
【ベーシックな動作方法】
ベーシックなやり方は、2つのリズムで行います。
- 1で、スプリットステップで沈む
相手のインパクトに、膝と股関節を曲げて「沈む」タイミングを合わせる。 - 2は、踏み込みとインパクトが同時
踏み込む足の着地と、インパクト(打点)を同時に行う。
*打点の位置は、踏み込んだ足の位置と同じにする。
ポイントは「1」のステップは「沈む」ことと、頭の位置が「前方に」突っ込まないように意識して行います。
【体力に自信がある人の動作方法】
体力に自信がある人は、3つのリズムで行います。
- 1.2の2回の両足ジャンプ
素早く小さなジャンプのイメージで「2」のときに相手のインパクトに合わせて沈む。 - 3に踏み込みとインパクトが同時
踏み込む足の着地と、インパクト(打点)を同時に行う。
*打点の位置は、踏み込んだ足の位置と同じにする。
2回ジャンプすることで、予備ジャンプが入るため、リズムを合わせやすくなります。しかし、体力も必要になります。
このスプリットステップは軽やかなフットワークの選手に多い使い方です。
最初はボールを打たないで、素振りでクセがつくまで練習してみましょう。
ボレーの「正しい形」を、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
ボレーのスイング
ボレーを安定させるには、ラケットを後ろに引き過ぎない。
どうしてかというと、ボレーはラケットの引き過ぎによってタイミングが狂ってミスが出てしまうからです。
ラケットを後ろに引くことで、スイング幅が長くなり、打点を安定した位置で捉えるのが難しくなるのです。
ボレーで、ボールを捉える打点の位置は、体の少し前になります。
上記画像 左のように、タイミングが「早くても」「遅くても」ミスの原因になります。
したがって、ベストな打点は、水色の限られた部分なのです。
そのため、ラケットの引き過ぎを抑えることで、スイング幅を短くさせられ、正しい打点の位置で捉えやすくなります。
ラケットを引かない方法は、肘の位置を意識します。
上記画像 左のように、レディポジションで構えたときの「肘の位置」を、(それ以上)背中側に下げないでテークバックを完了させるように意識します。
肘の位置が下がらなければ、引き過ぎを防ぐことができます。
このテークバックの状態から「踏み込み」と「肘の移動」で、ボールにパワーを加えます。
ボレーの「スイング方法」を、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
チャンスボレーは「足」と「腕」をセットで使う
チャンスボレーは「足」と「腕」を連動させると、安定したボールが打てるようになります。
というのは、チャンスボールを失敗するときの主な原因が、腕力に頼るからなのです。
例えば、チャンスがくると「よしっ、チャンスだっ!」と、一撃で決めてやろうと思いませんか?
それが、力みのスイッチを入れてしまうのです。
力みのスイッチが入ると、鋭い動作ができなくなるため、タイミングが狂いミスショットが出やすくなるのです。
だから「足」と「腕」を連動させた動作に焦点を合わせると、力みも忘れてタイミングを合わせやすくなるのです。
急に来たチャンスボールを、ここぞとばかりに「えいっ!」と、決めに行ったら「ドカーン」とアウト……「なんでぇ~~??」と、拍子抜けするようながっかりする気持ちも、足と腕を連動させるだけで解決できます。
- 準備する。
ボールが来たら、そのままの状態でテイクバックと右足に重心を乗せます。
- 打ちに行く。
右足の重心を、踏み込む左足に重心移動しながら同時にスイングを行う。
- フィニッシュ。
左足に重心が移ると同時にラケットも止める。 - 直ぐに構える。
1歩目の右足は地面を強く蹴り、2歩目への移動の歩幅を通常のボレーの倍ぐらいにすると、十分な勢いがあるボレーが打てます。
通常のボールはその場で打ちますが、チャンスボールの場合は(上記画像のように)身体ごとボールにぶつかって打ちにいくイメージです。
さらに詳しい内容は下記を参考にして下さい。
関連中級者のレベルを上げるドライブボレーのコツ!効果的な練習方法を紹介
アングルボレーは「サラッ」と触れる
ゲーム中に、アングルボレーをやってみると、ボールがふわっと浮いてアウトしませんか?
それは、ボールの勢いをラケットで(上手く)吸収できていないからです。
原因は、手首が柔らかさを失い、ラケット面が中途半端な状態でボールを弾いているのです。
アングルボレーには2種類の方法があります。
- ボールを吸収して「弾き加減で」アングルに狙う方法。
- ラケットの「面の向きを作って」アングルにコースを変える方法。
アングルボレーでアウトが多い人は、ラケット面の向きを作って狙うアングルボレーを身につけるとアウトしにくくなります。
アングルボレーを身につけることで、(二か国語を話せる人のように)プレーの幅を広げられます。
それは、攻撃のパターンを増やすことができるため、相手に「何を打ってくるか」予測されなくなるからです。
例えば、攻撃できるチャンスが来ても「自分が緊張してる場面では」ボールを強く打ちにくいものです。
その点、アングルボレーは自力をほとんど加えないで、小手先を利用した攻撃ができます。
チャンスボールが来たけど「いま打ち込んだら、ミスしそう」という場面でも、弱気の状態を悟られないで攻撃ができるショットなのです。
だから、身につけることで、攻撃するときに(心の状況に)合わせた攻め方ができるようになります。
- セットする
ボールが飛んで来たら、ボールの高さにラケット面をセットします。 - 振り出し
ボールを打つ時の足の使い方は通常のボレーと同じく、ラケットと左足の踏み込みを同時に行う。 - インパクト
アングルボレーの時は、角度をつける為、ボールの外側をサラッと触れるイメージです。 - フィニッシュ
インパクト後は、全てを止めてすぐに構える。
通常、真っすぐ飛ばすときは、ボールの真後ろをラケットの面が捉えます。(上記画像 左)
アングルボレーの場合は、右画像のようにボールの右側をガットが触れるようにします。(右利きのフォアボレー)
要するに、ボールは真後ろを押すとしっかり飛びますが、角度をつけるときは、ボールの外側をサラッと触るようにします。
アングルボレーの詳しい打ち方は、こちらを参考にして下さい。
相手が嫌がるスライスボレー
テニスは、スライス回転のボールを返球するのが苦手の人が多いのです。
というのは、スライス回転のボールはバウンド後に変化するため、返球しにくいボールだからです。
例えば、スライス回転を多く使う人とラリーをすると、打ちにくかったり、タイミングが合わせにくいのは、スライス回転の影響になります。
それは、スライス回転のボールが、バウンド後に「滑ったり」「止まったり」変化する性質があるため、タイミングがあわせにくいのです。
余談ですが、私がジュニアの育成クラスの子供たちの球出しでは、強烈なスピン回転や滑るようなスライス回転を混ぜて球出しをしていました。
それには意図があり、いかにスライス回転のボールが返しにくいか?を感じてもらい、子供達にも「返しにくいボール」を使うことが効果的だと感じてもらう為なのです。
したがって、それほど打ちにくいスライス回転のボールは、自分が放つと役に立ちます。
だから、攻撃のアイテムでもあるボレーで、スライス回転を使うと効果的なのです。
しかも、スライス回転のボールは、ボールに回転がかかっていることで空気抵抗が生まれて、ボールの飛距離を抑えてくれる効果もあります。
そのため、スライス回転のボールは「相手が打ちにくい」「コートに収まりやすい」など、2つの効果があるショットなのです。
下の画像はフェデラーのボレーです。
腕の使い方を参考にして下さい。
腕の使い方のイメージは、両腕を体の外に開いて閉じる動きです。
体の外に開いた両肘を、緩やかに下げながら身体の中心部で近づける動作です。
この肘の動かし方を、右利きの方は右腕だけで行います。
バックは逆に、体の中心部にある両腕を外側に開く動きです。
私の知人が、フェデラーの試合を生で見たときの感想が、フェデラーはスライスをかけるとき、ボールを「ちょん切るように打っている」と。
それくらい回転量を多くして、ボールを変化させるこが効果的なボールになるのです。
スライスボレーの詳しい打ち方は、こちらが参考になります。
相手の「ボールの影響で」ボレーミスが出る
ボレーをしているときに、完璧に打ったのに「なんでミスしたんだろう?」と
思ったことはありませんか?
実は、ボレーのように、ボールをバウンドさせないで打つボールは、相手が放ったボールの回転によってミスが起こるケースがあるのです。
例えば
- 相手のボールがスピン回転のボールだと「ボールに羽でも生えてるのか?」と、思うくらいアウトしやすいことがあります。
- 逆に、スライス回転のボールだと「ネットが高いんじゃないの?」と、思うくらいネットミスをすることもあるのです。
これはボールの回転が影響して、スピン回転のボールは上に弾かれて、スライス回転のボールは下に弾かれるからです。
要するに、壁を作るような「当てるだけのボレーは」相手ボールの回転による影響が、もろに出やすいのです。
そのため、ボールの回転による影響を打ち消す方法は、自ら回転を生み出すことなのです。
スピンやスライス回転がかかっているボールには、(ボレーの場合)スライス回転を加えることが、相手ボールの回転の作用を打ち消してくれます。
もっと詳しく知りたい方は、こちらを参考にして下さい。
まとめ:テニス|これを読んだら苦手なボレーのコツがわかる!攻守の完全解説
- ボレーのフォームは、リズムで形を覚える。
- ボレーのテークバックは、肘の位置を背中側に下げない。
- チャンスボレーは「足」と「腕」をセットで使う。
- アングルボレーは「サラッ」と軽く触れる感触で打つ。
- スライス回転のボレーは、相手が返球しにくい。
- 自らスライス回転で打つことが、相手のボールに影響されない。
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