このページは、スピンサーブが上手く打てない方向けに「スピンサーブのコツ」を、わかりやすく解説します。
スピンサーブを上手く打てない人は、(無意識で)ボールに押しを加えているのです。
というのは、自分では、(意識して)スピンサーブを打ったつもりでも、ボールを擦るスイングになっていないからです。
例えば、人間は誰でも感覚もズレがあります。段差で足を引っかけて転んだり、足の小指をぶつけたりするように、自分は正しい動作をしたつもりでもズレていることがあります。
このように、(スピンサーブでも)ボールを下から上に擦ったつもりが、(実際は)ラケットが下から出ていないこともあります。
その結果、スピンサーブを打ったつもりが、(回転量の少ない)勢いのあるボールが飛んでしまうのです。
そのため、スピンサーブを上手く打つには、擦る感覚を(優先して)身につける必要があります。
目次
スピンサーブはボールを「擦る感覚」を身につける
スピンサーブを上手く打つには、ボールを擦れないと始まりません。
だから、始めはボールが飛ばなくても良いので「擦り方だけ」をマスターするようにします。
理由は、ボールを擦る動作の感覚を、正確に神経に伝えるためです。
例えば、いきなりスピードがあって急激に落ちるスピンサーブを求めないで、スピードが無くてもボールを擦る感覚を身につけると、後からスピードアップさせるのは簡単にできます。
しかし、厚い当たりの「スピード」と、薄い当たりの「回転」の両方を求めると、薄い当たりの回転を身につけづらくなるのです。
したがって、厚い当たりで打つことが出来るのであれば、薄い当たり(回転)を優先した方が、効率よく覚えられるようになります。
サーブは、2本のうち1本を確実に入れる自信があれば、片方のサーブで色々なチャレンジができます。しかも、ダブルフォルトをしないだけでも、相手は嫌なものです。
ゲームで、競り合っているようなプレッシャーのかかる場面で「サーブが入るかな~」と不安になる気持ちも、ボールの擦り方を身につけるだけで、自信を持って打てるようになります。
だから、スピンサーブのようなコートに吸い込まれる球筋は、身につけてプラスにしかならないのです。
スピンサーブはファーストにも効果的
スピンサーブに関して驚いたことがありました。
当時、まだ13才くらいのピート サンプラスを見た時に、華奢な体でスピンサーブを武器に、年上の選手をどんどんやっつけていくのです。
フォーム自体は現役の時と同じフォームで打っていましたが、強烈なスピンがかかり跳ね上がるセカンドサーブ。
サーブの種類は、フラット・スライス・スピンの3種類に、コースとスピードに変化をつけていたのです。
ファーストサーブでは早いスライス・曲がるスライス・跳ねるスピン・フラットの4種類を混ぜて打っていました。
セカンドサーブでは速いスピン・跳ねるスピン・曲がるスライスの3種類。
驚いたのは、ファーストサーブからスピンサーブを多めに混ぜていたのです。
通常、リターンをする人は、相手のセカンドサーブには、攻撃をする意識があることが普通のことです。
しかし、ファーストサーブに対しては「攻撃的なサーブが来る」という意識があるため、確実に返球する「守る意識」をしている人が多いのです。
そのため、サーブは、違う種類のサーブを混ぜることで、ファーストサーブにスピンサーブを使っても叩かれにくいため、重要な場面などで(ファーストから)スピンサーブを使っても攻撃されにくくなります。
しかも、ファーストから確実に入るので、心理的に(自分は)楽になり、相手にプレッシャーをかけられます。その上、体力の温存もできます。
それが、確立の高さを争うテニスでは、重要な選択になるのです。
擦る感覚を身につける
ボールを擦る原理は、(フォアハンドと同じく)ボールより下げたラケットを(鋭く)振り上げる動きです。
ラケットが下から上に動くから回転量が多くなり、後ろから前に力を加えるからスピードが加わります。
スピンサーブを上手く打てない人は、ボールを擦りやすくする環境を整える必要があります。
トスを後頭部側に上げる
スピンサーブでボールを縦に擦れない人は、トスを後頭部側に上げるようにします。
スイングの軌道は、ラケットが背中側で下がり、そのまま頭の上を通過してお腹側に振り抜きます。
そのため、(その軌道の中で)ボールを縦に擦れる部分は、下記画像 赤枠の背中側だけなのです。
上記の位置は、スイングの軌道上(自然に)縦回転をかけられる位置なので、(トスに慣れると)時短でスピンサーブの感触を覚えられます。
スピンサーブは打点を下げる
スピンサーブは「ボールを擦るために」打点を(通常より)10センチほど落としたところから、ボールを擦り上げるようにします。
というのは、打点を落とすことで、ボールに「縦の回転」を加えることができるからです。
下記画像の赤い点線がラケットの軌道です。ラケットの軌道上、打点が高くなるほど横の回転になりやすく、打点が低いと縦の回転(スピン)になります。
そのため、ボールが落ちてきたところを振り上げることで、自ずとスピンの回転で飛ばしやすくなるため、スピンサーブの感触を肌で感じやすいです。
手首の使い方
手首の使い方は、ボールの球面をサラッと擦るように(慣れるまでは)薄い当たりで行います。
スピンサーブが上手く出来ない人の特徴は、(打点を落としても)手首でボールを押すように厚い当たりをしてしまうことです。(下記画像)
上記のような手首の使い方をしてしまうと、赤い矢印のようにラケットが動き、ボールに押しが加わります。だから、回転量の少ないボールになるのです。
そのため、下記画像の赤い矢印のように、ボールの球面に沿って山なりの軌道を描く使い方を身につけます。
上記のように、山なりを描く軌道の途中でボールを捉えるから、スピンがかかるのです。
スイングで「力」を加える部分
スイングの中で「力を」加える部分は、下記画像の赤い部分になります。
要するに、下から上に振り上げる部分だけです。
振り上げ方も、(下記画像のように)前方に振り出すと「スピード」が出ます。
反対に、真上に振り上げると「回転量」を、多くさせられます。
上記のように、回転を上手くかけられない方は、真上方向に振り上げます。回転はかかるけど、スピードが欲しい方は、前方に振り上げることで、球筋を操作できるのです。
(*トスの位置も、振り上げたい方向に上げるようにします。)
上記の振り上げ動作は、意識して練習することで、誰でも身につけられます。
ただ、なかなか自分ひとりでサーブの練習だけに、時間を費やすことは難しいのも現実です。
それをサポートできるのが、テニス用練習器具です。
前述した、サーブの振り上げ動作を身につける、練習器具を紹介します。
この練習器具は、(サーブの動作で)ラケットを振り上げたときに、マグネットが移動して先端にあたるとカチッと音がします。
要するに、サーブの動作で、ラケットを正しく振り上げられたか?が、音で確認できるのです。
「カチッ」という音が正しい動作のチェックになるので、コーチの代わりにチェックするような役目もしてくれます。
スクールやサークルなどでは、サーブの練習時間も限られているため、上達するには多くの月日が必要になります。
目に見えて上達するには、自主練習は欠かせないことです。
しかも、小さなスペースがあれば、正しいフォームを身につけられるところもお勧めです。
まとめ テニス【スピンサーブが上手く打てない】身につけるべき捉え方を解説
- スピンサーブは、ボールを擦る感覚を身につける。
- トスを、後頭部側に上げると、スピンをかけやすくなる。
- 打点を下げることで、縦の回転になる。
- 手首の使い方は、ボールの球面に沿ってサラッと触れる使い方。
- スイングは、下から上に振り上げる部分に「力」を加える。
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