スクールのコーチがお客さんを上のクラスに進級させる基本的な基準として、ボールを繋ぐ力が重要になってきます。
上のクラスになるに連れて(特に中級クラスから)球出しなどの基礎練習が少なくなりラリー中心の練習メニューが多くなってきます。
そのため、初級 → 中球でも中級 → 中上級でも、相手を打ち負かすことよりもボールを繋ぐことができないとクラス全員が練習にならないため、コーチはそこを重視して進級の判断材料にするのです。
重要なことはミスをしない安定感!
色んなボールを打てることも大事ですが、それよりも「安定して繋ぐことが出来る技術」を身につけることです。
クラスというレベル分けしたグループ練習に対応できる「力」それがボールを繋ぐことなのです。

ほとんどのコーチは、こんなクレームが無いようにできるだけレッスンを円滑に進めるようにしたいのです。サービス業だけに致し方ない部分でもあります・・・
ただ、逆を言うと繋ぐ技術があれば試合も勝てるようになり、自分のレベルを格段に上げられます。
テニスは決める確率よりもミスしない確率が最も重要なのです。ゲームになるとエースでポイントが取れるのは1割です。
残りはミスショットでゲームの勝敗が決まる競技なのです。
だから相手のミスを誘うために工夫をして、相手を走らせたりボールに回転をかけたり、スピードのあるボールを打ったりするのです。
そのくらい、ミスをしないことがレベルの目安になるのです。
「ミスをしない」とは、正確にボールをコートに返すコントロール力があるのです。ラケット面の加減に失敗がなく、より正確だからミスをしないのです。
例えばテニスが上手い人は、初級者を相手にしても中級者を相手にしても、上級者を相手にしても、その人に合わせたボールでラリーができます。
どんなボールが来てもボールの方向性とスピードのコントロールして繋ぐことができるからです。
要するに一般的に上手くなるとは、ボールをコントロールする力を身につける必要があります。
だからどのレベルに進級するにも攻撃力よりもボールをコントロールする繋ぐ力があるか?が大前提なのです。
初級 | 初中級 | 中級 | 中上級 | 上級 | |
ストローク対ストローク | ~10 | 5~15 | 15~20 | 20~30 | 30~ |
ボレー対ストローク | ~10 | 5~10 | 10~15 | 15~20 | 20~30 |
ボレー対ボレー | ~10 | 10~20 | 30~ | 40~ | 50~ |
上記はラリーを繋ぐ回数(往復)の目安です。これはコーチとのラリーではなく、お客さん同士で行う目安ですが、1回だけのクリアはまぐれの可能性もあるので、2~3回クリアできると実力です。
相手がミスをしてラリーが途切れても、自分はそのままクリアするように意識して行うことで、自分の繋ぐレベルを上げられます。
実は攻撃とは「緩い簡単なボールに対しての」対応力なのです。チャンスボール自体がスピードのない簡単なボールで、相手のレベルが高いと頻繁には飛んで来ないボールなんです。
逆に繋ぐことは「スピードのあるボール」や「相手に動かされたボール」など幅広い対応力がないと出来ないことなのです。
だから進級するには、一番多く打つ機会のある「繋ぐ力」が重要なのです。
人よりボールを返す確率が高くなるから試合も勝てるようになり、根本のレベルを上げられます。
ストロークで繋げる力をつける方法
初中級者が中級に上がるには、フォアハンドの他にバックハンドでもボールをコントロールして繋げられる力が必要になります。
特に中級になるとダブルスの練習の為に、ボレー対ストロークのラリー練習を行います。
フォアハンドストロークだけではボレー対ストロークの速い展開では回り込む時間が無いのでラリーが繋がらなくなります。
早く身につける方法として、練習中のラリー相手(誰とでも)とノーミスで10球繋げる意識で行いましょう。
コーチになったつもりで全てのボールを「相手のフォアに」返します。
相手のフォアの一部分を狙うことで、繊細なコントロール力が磨かれます。コントロールが良いと相手前衛の空いている狭いスペースでもパッシングショットで抜くことが楽に出来るようになります。
しかも狙って繋ぐことは、ボールとの距離感を正しく取れるようになります。そのためフットワークも磨かれ、バランスの良い体勢でボールを打てるため、見た目のフォームがカッコよくなります。
最も効果的に身につける方法は壁打ち
壁打ちは、今の自分のレベルをそのまま反映します。上手ければ動くことなく100回でも繋がりますが、レベルによってはあちこち走ったり、準備が間に合わなくもなります。
もし壁打ちの環境があれば、50回を目標にやってみて下さい。50回をいつでもできるレベルになったら簡単に上級になれます。
何より壁打ちは準備が早くなるので、ほとんどのボールに対応できるようになります。
テニスはクラスのレベルが上がるに連れて、繋ぐボール自体のスピードもアップするため、準備の早さも身につける必要があります。
中級クラスに進級する方法 まとめ
- 相手を打ち負かすより繋ぐ力をつける。
- 繋ぐ力がつくと、自分のレベルを上げられる。
- フォアハンドはもちろん、バックハンドでも繋げるようにする。
- 練習では誰とでも10往復は繋げるように意識して行う。
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