このページは、ボレーが苦手な人に「動作のコツ」を、わかりやすく解説します。
ボレーの難しいところは、ネットに近いため時間の余裕が無くなってしまうからなのです。
ボレーは、ボールをバウンドさせないで打つため、ボレーを打った瞬間に、すぐに次のボールの準備をしないと間に合わなくなります。
したがって、ストロークのように、打ったボールをゆったり眺めていると「準備が遅れてしまう」のです。
時間の余裕がないのに、ボールの行き先を眺めて、慌ててラケットを引いてしまうから、タイミングが合わせづらくなり、ミスが出てしまうのです。
目次
ラケット操作をやりやすくするグリップの握り加減
ボレーを安定させるために大事なことは、ラケットを引き過ぎないで打点の位置を安定させることです。
ラケットの振り幅が大きいと一箇所の打点で打つことが難しくなるからです。
その結果、打点の位置が前過ぎたり後ろ過ぎたりする、打点のズレによってボールが不安定になります。
打点が前過ぎるとクロス方向にボールが飛び、遅れていると逆クロス方向にボールが飛ぶように、結果となって表れます。
もともと、飛んでくるボールには、反発力が備わっているので、自力を加えるのはほんの一瞬で、ボールが当たる瞬間に人と握手する程度の加減で、グリップを握るだけなのです。
テニス経験が浅い人ほど、グリップをギュッと強く握り過ぎるので、腕を思い通りに動かせなくなるのです。
上級の人ほど、腕を思い通りに操作するために、グリップを柔らかく握っています。
グリップの握りは、状況に合わせた握り加減の調整することで、ボールを「ブロック」「吸収」「押す」などの色々な対応が出来るようになります。
下の表で、握りの加減を10段階で説明します。
10が一番強くグリップを握った状態として考えて下さい。
*10段階の加減は、テニスの全てのショットに当てはまります。
握りの強さ |
場面 |
特徴 |
9~10 |
ほぼ無し |
MAXの握りで、思いっきり力を入れてグリップを握った状態。この9~10の力はテニスでほとんど使いません。腕をスムーズに操れなくして、自由が利かない為。 |
7~8 やや強い |
攻める時 |
自分の中で一番スピードを出す時に使う握り。 攻撃的なボールの時で、ストロークで決め球、ボレーのチャンスボールや速いサーブとスマッシュなど。 |
5~6 |
通常時で |
一番多く使う握りで、通常のラリーなどで使用します。腕を自由に動かせるので正確にコントロールしたい時に使います。 |
3~4 |
守る時 |
ウォーミングアップなどゆっくりラリーをする時の握り。主にショートラリーや、スローボールで相手が返しやすいようなボールを放つ時に使います。ストロークとボレーのアングルショットや、相手のスマッシュを返球する時など。 |
1~2 |
テクニック |
ドロップショットなどのボールを吸収する時の握り。相手が打ち込んだスピードのあるボールなども守りで返す時に使います。 |
握りの特徴
- グリップは、握りが緩い方が、腕を「素早く」動かせます。
- 逆に、強く握ると「鈍い」動きになります。
そのため、レディポジションの構えの時からギュッと握らずに、構えの時から赤ちゃんの手を握るように常に柔らかくしましょう。
柔らかく持つことが、針に糸を通すような「繊細な感触で」腕を操りやすくなります。
ミスをする時は、無意識で9~10の力で握っていることが多いのです。テニスの力み過ぎは、腕を操れなくするため、タイミングがズレるミスが多くなります。
テニスを上達するには、この握る力を操ることが、イメージ通りのラケット操作に近づけてくれるのです。
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「形」と「打点」はリズムで身につける
先ずは、素振りで基本の形を覚えます。
今回は、ベーシックなスプリットステップと、予備ジャンプを入れたスプリットステップのリズムの取り方です。
- 1で、スプリットステップで沈む
相手のインパクトに、膝と股関節を曲げて「沈む」タイミングを合わせます。 - 2は、踏み込みとインパクトが同時
踏み込んだ足の着地と、インパクト(打点)を同時に行います。
【フォアボレーの場合】
【バックボレーの場合】
POINT 打点の位置は、踏み込んだ足の「つま先の真上を目安に」ボールを捉えます。
このスプリットステップは、体力に自信のある方にお勧めです。
- 1.2の2回の両足ジャンプ
素早く小さなジャンプのイメージです。 - 3が、踏み込みとインパクト
踏み込んだ足の着地と、インパクト(打点)を同時に行います。
POINT 1回目のジャンプでリズムを取って、2回目で着地を合わせます。
この素振りを、フォア・バック交互に1日3分(毎日)行うと、体が覚えてくれます。
そうなると、無意識でできるようになります。
練習方法
キャッチボールラリー
この練習は2人で行います。1対1で3mだけ距離を取って、ラケットと素手でキャッチボールするような感じです。(ネットがなくても可能です。)
コートで行う時は、お互いネットから1.5mくらい離れます。
2人でキャッチボールをするように片方が投げて、もう片方が打ちます。
- 片方は下投げで、相手の体の1m外側のフォアとバックへ交互に投げます。
跳ね返って来たボールはキャッチします。 - もう片方は、フォア・バックに来たボールを、ラケットで「ちょこん」と当てて、相手の胸元に目掛けて返します。
*フォアとバック交互に50回を1~2セット。
動きに慣れてきたら、ランダムで50回を1~2セットを行います。
要するに、距離が近いので、ラケットで返す人はゆっくり返球します。
これは、ラケットを振らない癖をつけるためです。
ラケットで打つ人は、前述した「形を」意識して行います。
打つ人は、相手がボールを投げる瞬間に「1」を行います。
打つ時の「2」では「踏込み」と「インパクト」を同時になるように意識します。
この練習では、前述した「握りの強さ」は、距離が近いので「1~2」です。とにかく振らないように「ちょこん」と当てるだけを意識して行います。
注意:膝は軽く曲げた所からスタートして、打ち終わりも、両膝を曲げたままです。
*この練習は、癖がつくまで行うようにしましょう。
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ショートラリーでボレー対ストローク
インプットしたらアウトプットすることが、さらに効果的になります。
ショートラリーの距離で、ゆっくりしたラリーの中で、ボレーストローク練習を行います。
- ボレーの立ち位置は、ネットから1.5m離れた位置に立ちます。
- ストロークは、サービスラインくらいの位置です。
お互いにゆっくりなボールで、ボレーヤーが「形」を意識して行うようにします。
あくまで、どれくらい身についたかを確認する感じで行いましょう。
ある程度スムーズに打てるようになって来たら、ストローカーが更に1~2m離れて行います。
まとめ:元テニスコーチが教える!ボレーが苦手な人が行うべき動作とは?コツを紹介
- グリップの握りは、柔らかい方が体を操作しやすい。
- ボレーの形は、リズムで覚えると早い。
- 素振りで「形」を身に付ける。
- インプットしたら、短い距離のラリーでアウトプットする。
時とリスクを制御して勝つテニス~結果が出せる考え方とその実践ドリル~【亜細亜大学教授・テニス部監督 堀内 昌一 指導・解説】
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